千住葱商 葱茂

浅草近くの千住という町に、日本で唯一長ねぎだけしか扱わない市場があります。毎朝、この千住葱市場に専門の農家がねぎを運んできます。と言ってもごく普通の葱と言うわけでなく 各農家が自分の畑で収穫された最も出来の良いもの、つまりは「おらが畑の一等賞」の葱だけ持ち寄り出来を競います。
この葱の事を「千住葱」もしくは普通の千住系と区別するために「千寿葱」とよびます。
この千寿葱 約二百年前からありますが、明治時代に東京の鍋屋が「飛び切り甘くて煮崩れをおこさず、それでいて口の中に入れるととろける葱がある」といって評判をとり、蕎麦屋からは「薬味にすれば一本で他の葱の倍以上は取れる」といって、瞬く間に東京中の鍋屋、蕎麦屋、焼き鳥屋、すき焼屋など、葱を多く使う料理職人の間に広まり、現在でも東京のこれらの店の約八割は千寿ブランドの葱が使われております。
なぜそれだけの葱が全国的に無名かというと理由は二つあります。ひとつは、厳選している葱なので職人さんにしか回らないこと、ひとつは 、葱商たちの閉鎖的な体質によります。
約二百余年間、市場の売り子は世襲制で、それを扱う葱商(ねぎの鑑定人)たちも血縁者か、十年以上葱商の下でよい葱を見極める経験を積んだ者でないと千寿葱を扱う事は出来ないという規則を貫いてきています。
これは各農家や市場、葱商が責任をもって最高の葱を育て、保存し、職人たちのところへ届けるという互いの信念で成り立って来たからです。それが一素材の葱にこだわって扱って下さる職人たちへの礼儀であると考えているからです。
代々伝わるこだわりの農家の技術に、葱を見極める葱商とのタッグがあってこそ、200年間もの長きにわたり、極上の葱が作り続けられています。

創業年:1929
代表者:安藤将信

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