プルーンってこんなに美味しいの?
衝撃を受けた長野県佐久穂町の生産者
菊池幸徳さんは、りんごとプルーンを作っている、長野県佐久穂町の生産者です。2022年に知り合い、それまで全く知らなかったプルーンの余りのおいしさに驚きました。
そして、プルーンとともに作っている、りんご栽培も素晴らしい腕前です。
果物は目安の糖度でいうと、みかんで12度、メロンで13度、マンゴーで15度、桃で12度。だいたいこの程度の糖度があれば美味しいと感じます。プルーンは糖度が高い品種は18〜20度程度出るのですが、菊池さんが作るもので、高いものは25度以上が出たりするのです。
全国シェア約7割の
プルーン生産量を誇る長野県
佐久地域は、日本で最初にプルーンの産地化が行われた地域です。
- 佐久穂町のプルーン
-
大正10年に長野県農業事試験場 果樹試験地の設置に伴い、試作栽培されたのが始まりと言われています。
また、最初に産地形成が行われた臼田町の土屋喜八郎氏が昭和40年に日本スモモの台木に地元にあった西洋スモモの在来種を接ぎ、自家用として庭先や畑の隅に栽培したのが始まりです。
佐久穂町では、昭和43年に土屋喜八郎氏から佐久町の中島英明氏などへ苗木を分けてもらったことをきっかけに、プルーン栽培の素地が出来ていきました。
日本へは明治時代に伝わりましたが、なかなか定着しませんでした。 理由は、雨に弱く、成熟期に雨が多いと実が裂果したり病気になりやすい性質があるからです。 現在では品種改良が進み、長野県をはじめ北海道、青森県などで栽培されています。
標高740〜1,300mの高冷地にある佐久穂町は、長野県の東部に位置し、西は北八ヶ岳や八千穂高原、東は茂来山や古谷渓谷、そして町の中心を南北に千曲川が流れる自然豊かな町です。
日照時間は年平均で約2,000時間四季を通じて長く、雨が800mm以下と少なく(全国平均で約1600mm)、昼夜の寒暖差が大きい内陸性気候により、糖度が高くギュッとしまった美味しい果物が育ちます。
昼夜の寒暖差が、植物を刺激して糖分を多く作らせ、水分や栄養とともに果実にギュッと凝縮します。標高1,000mを超える場所ではレタスなど高原野菜を中心に栽培されており、800m〜1,000mでは、特産品のりんご・プルーンなどが多く栽培されています。
プルーンは、産地化をしているところが、極めて少ないため多くの人はその美味しさを知りません。
プルーンはドライではなく、生で丸ごと食べるのが一番と知ることになります。
標高800mをこえる園地
寒暖差でりんごは真っ赤です。
栽培では主に有機肥料を使い、減農薬で栽培しています。農薬は必要なときに使うことを心掛けており使う必要が無ければ無理に使うことはしません。
また、特徴的な所では、酵素を積極的に使っていること。酵素は近年は人間の栄養素としても注目されていますが、まだまだどんなものかはっきりとわかっていません。
しかし、牧草に酵素を使っている牧場では明らかに牛のお乳の出が良くなったこと、高名な葡萄農家から「酵素を使うと強くて健康な木になる」との情報を知ってから、自身でも酵素の葉面散布を取り入れたそうです。
すると、落下しやすかったプルーンが落ちなくなるなど明らかに効果が出たそうです。
木が強くなれば、人間の免疫と一緒で病気に強くなります。自然と農薬も減らせるようになります。
菊池さんが作るりんご
多くの品種を少しずつ栽培しています。
「お客様に喜んでもらえる美味しい果物をつくりたい」の一心で栽培をされています。りんごもプルーンも一目見ただけで手をかけて作っているのが分かります。
2008年にお父様から園地を引き継ぎ、自分の作るものは、お客様に喜んでもらえているのか?という思いがあり、各地のマルシェなど対面販売も積極的に行ってきました。
2023年9月22日には、東京の大崎駅前のマルシェにも参加して自ら、りんごとプルーンを販売していました。
ほとんどの人は、試食であまりの美味しさに驚き、買っていかれるそうです。プルーンもりんごも一流の菊池さんですから、その反応も当然だと思います。