西村農園の西洋梨「ル・レクチェ」

新潟県　加茂市にある西村農園の園主　西村修市さんは、23歳で会社をやめて、就農しました。以来35年以上（令和4年10月3日現在）、農業一本。
ご実家が専業農家でお米や果樹を栽培しており、最初は主にお父様が作っていた梨に力を入れていたそうですが、洋梨のル・レクチェも栽培されるようになりました。

新潟県は高級西洋梨のル・レクチェの名産地として有名な産地です。
当初はお父様から「洋梨は難しいから手を出すな」と言われていたそうですが、自分の周りの農家が作るル・レクチェが高く売れていくのを見て、挑戦したそうです。

今でこそ、最も優秀な生産者に贈られる『最優秀賞』を受賞した凄腕の生産者ですが、洋梨栽培を始めた当初は苦難の連続だったそうです。
洋梨は2年周期で豊作と不作を繰り返す性質があります。収益が安定せず、栽培してはじめて、「父親が手を出すなと言ったのはこういうことだったのか・・・」と解ったそうです。

そして、ル レクチェに壊滅的な被害をもたらした褐色斑点病が蔓延したことがきっかけで、VS農法（VS菌＝善玉土壌微生物という生きた微生物群を堆肥に混ぜた農法）に出会います。

土づくりの大切さは、実家が農家だったこともあり、良くわかっているつもりだったのですが
VS農法を取り入れたら、効果に驚いたそうです。
作物は全て土づくりで決まる。丈夫な木を育てれば果実も美味しく実ります。そのよう樹になるには、何年もかけて土壌改良をし、水や栄養分を吸収する根（毛細根）を発達させることが重要です。

VS農法の先駆者である熊本県のすいか名人や、福岡県の凄腕生産者にも教えを請い、自分のものにしていきました。

樹の根は、栄養を吸収する機能という意味で、人間の腸にあたります。
人間の免疫力の70％が腸で決まるといわれているように、腸が健康だと病気にかかりにくくなります。果樹も同様に根を発達させることで、病気に強くなるのです。

「VS農法を取り入れてから樹が強くなり、子供である果実も品質が落ちなくなった」と西村さんは言います。
現在は西村さんの栽培法が噂になり、周りの農家も取り入れるほど、高い栽培技術を持っています。

新潟県のル・レクチェは、収穫後に産地で追熟を行い、食べごろに近づけてから市場に出します。自宅ですぐに美味しく食べられるように工夫されているのです。

しかし、実は追熟にも「冷蔵庫による追熟」と「自然追熟」の2種類があります。手間がかかるけれど美味しさに優れているのが、西村さんが行う「自然追熟」です。
冷蔵庫の追熟は、強制的に熟度を進ませるやり方で一斉に作業ができますが、果皮と中身の熟度にムラが出ます。「自然追熟」は、１つ１つがゆっくりと時間をかけるので、手間はかかりますが、均一な肉質に仕上がります。

店先に並んでしまえば、追熟のやり方など区別しようもありません。
「美味しいものを食べてもらいたい。」という西村さんのこだわりが、消費者から見えない、土づくり・追熟方法にあらわれています。贈り物にも是非、お使いください。