標高700mの高原で作られる、超晩生いちご
群馬県 JA利根沼田 おぜあかりん

なんと4月からが旬だという、遅咲きのいちご。

いちごの産地としては、それほど有名ではない群馬県。
代表品種はやよいひめ。
栃木のとちおとめ、福岡のあまおうなどと比べると、全国的には広まっていないのですが、確実に良いいちごを作ります。

この地に「凄いいちごがある」との情報を、セリ人から聞きつけました。
しかし、季節は春。暖かくなるこの時期、一般的にいちごは終わりを迎えます。「じゃあ今年は取材だけで、販売は来年ですね」と私が言うと、「いや、これから美味しくなるんだ」と。「本当に?」と半ば疑いつつも、更に興味が湧きあがります。この話をしてすぐに、生産者の荒木さんの元を訪ねました。
これ以上の品種はないのでは?

生産者の新木さんは、この品種をこう絶賛します。
他の品種も作っているのですが、「おぜあかりん」の魅力に取りつかれたようです。
「おぜあかりん」は、果皮がパリッとしっかりしていて肉質はち密でしっかりとしています。
噛むと美味しい果汁が詰まり、ただ甘いだけではなく、爽やかな後味と香りもあります。

新木さんが「これを食べて見な!」と言ったものを、
畑で1粒食べさせて貰ったのですが、異常なほど甘く。
先端に蜜が入ってるかのようでした。
(写真)JA利根沼田の生産者 新木敏夫さん

写真のように、先端が白っぽいので「色づきが悪いのかな?」と思ったの ですが、そうではなく
糖度が高い苺の中には、白くなるものがあるそうで新木さんは「この白い部分に糖分がたまってる」のだと言います。
私も苺の畑は結構行ってますが、そんな話聞いたこともありません。
内心、信じられませんでしたが、食べると、これ、本当に信じられないほど甘いんです。
「作り方も特別だけど、この品種が良いんだよね」と、今迄色んな品種を試した中でも、このおぜあかりんに対する新木さんの想いは、特別のようです。
高原で育つ品種だから甘い。

おぜあかりんは、「とねほっぺ × とちおとめ × 盛岡26号」の 掛け合わせで作られました。
3月下旬〜7月中旬が収穫期と言う、 非常に遅咲きのいちごです。

通常、春になり温かくなってから栽培すると、
生育が良すぎて味が水っぽくなるのですが、
この苺は低温の高原でジックリと育てられるため美味しくなります。
理屈的には他の品種で作っても、
同じ環境であれば同等の味になりそうなものですが、
この「おぜあかりん」でないと、この美味しさにはならないようです。