
創業160年
老舗蒲鉾店 伝統の味
小田原
鈴廣かまぼこ

日本人が追い求めた味
最上の刺身のような蒲鉾
「古今」
日本は地球1周の3/4の長さ 29,751kmにもなる海岸線を持つ、言わずと知れた水産資源に恵まれた国です。 当然のように古くから漁業が盛んで、各地域で固有の魚文化があり日本人は魚と共に歴史を積み重ねてきたといっても過言ではありません。 日本人にとっての魚の最上級の食べ方は生で食べる事、すなわち「刺身」です。「魚は手間をかければかけるほど価値が落ちるからやりにくい」と、豊洲市場ではぼやきが聞こえます。 手間をかけて焼き魚や煮魚にしたのに、刺身よりも価値が落ちてしまうということです。 日本では昔から新鮮な魚がいつでも手に入った印象がありますが、流通と冷蔵設備が整うまでの間(つまり割と最近まで) 沿岸部を除いて刺身は貴重な品でした。 各地域の食文化においても、魚食は焼いたものや煮たものが中心で、ハレの日でも刺身が食卓に上ることは滅多にありません。刺身は憧れの品だったのです。

小田原の蒲鉾は「刺身のうまさ」を追及したのか?
一般人に食べられていたのは刺身ではなく、練り物や干物、乾物が中心でした(それとて希少なものでしたが)。練り物は案外地域の特性が色濃く出ます。イワシのとれる地域ではイワシを、太刀魚がとれる地域では太刀魚をといったように、 近隣の海で獲れたものを中心に作られるのが基本だからです。 練り物は大きく分けて3つあります。 ちくわのように焼かれたもの、さつま揚げのように揚げられたもの、そして蒲鉾に代表される蒸されたものです。 同じすり身を原料にする食べ物もその地域により形を変化していきました。その中で、蒲鉾の味を日本で一番磨いた地が「小田原」 です。
参勤交代により、諸国で評判となった小田原の蒲鉾

小田原で蒲鉾が研鑽され評価されるようになったのは、参勤交代で箱根路を通る各国の大名や侍に賞味されたためだと言われています。小田原の蒲鉾の味は諸国でも評判となり、職人たちはより一層技術を向上させました。 蒲鉾は各地域にもありますが、 小田原の蒲鉾は他の地域のものに比べ大きく色艶も良くどことなく品があります。そして独特のプリッとした歯切れのよい食感も他の地域のものよりも優れていると感じます。

この食感は何をイメージしていたのか?それが「刺身」だと言われています。前述したように、刺身は滅多に食べられない貴重品でした。プリっとした鮮度の良い白身魚の味を日常的に味わいたい。 そんな思いが広がり、現在のあの蒲鉾の味へ磨かれていったようです。また他の練り物は、おでんやうどん・ちゃんぽんなどの具材にして出汁になるという脇役的な食べ方がされますが、小田原の蒲鉾は異なり、堂々とした主役として、それのみが食べられています。

小田原でかまぼこ作り一筋
鈴廣の職人の技、ここに極まれり。
江戸時代の末期、慶応元年(1865年)より160年。小田原の老舗 鈴廣の蒲鉾づくりは磨かれた職人の技術に科学的な根拠を加え、小田原でいかに持続可能な商いができるかという視点も加わります。 蒲鉾1本に使われる魚の量は6〜8匹。その命を貰ってできているという感謝に加え、彼らの商いを支える小田原という土地にもその気持ちは広がります。

全国水産加工品総合品質審査会で最優秀賞を獲得
2024年「第35回全国水産加工品総合品質審査会」において、最高賞となる農林水産大臣賞を受賞しました。 これまでにも平成27年・28年度の全国蒲鉾品評会で2年連続の農林水産大臣賞を受賞*しており、その品質と伝統技術が改めて高く評価されています。 国家資格「水産練り製品製造技能士」1級認定のかまぼこ職人たちが、伝統製法に忠実に、すべて手作業で仕上げる、「鈴廣」の顔ともいえる蒲鉾です。
一流の職人達が伝統製法で手作りする究極品

使用するのは天然の白グチに相模湾の希少なオキギスを煉り合せた原料を使用します。天然の魚は1匹1匹状態が異なるため、同じように作るわけにはいきません。 魚と向き合い、0.1℃の温度調整、0.1%の水分量調整、0.1グラムの塩分調整とわずかに作り方を変えていきます。

うま味調味料としてのアミノ酸や保存料は一切使用していません。原料に加え、水と塩にもこだわります。 鈴廣が使用している水は、箱根丹沢連山に降った水が大地に染み込み、100年以上もの歳月をかけ、自然に濾過された清冽な伏流水です。 塩は海水から作られた数十種類のミネラルを含んだ天然塩を使います。この水と塩により古今のプリッとした食感のベースが作られます。

職人の手作業により1本1本作られる
練られた原料は「職人の手作業」による板付け・蒸し工程を経て完成します。素材となる魚は天然のものゆえに毎回同じようにはいきません。 魚の大きさが違うだけで、同じように作っても別の食感になってしまいます。その日の温度や湿度、魚の状態を加味し、塩の塩梅やすり時間、 加熱時間や温度を調整し、古今の味は完成します。 求めた食感は「しなやかでありながらプリっとした強い弾力。歯にからみつくような粘り」。目指した味わいは「一枚を食べた後にすぐに二枚、三枚と箸がのびる滑らかなのどごし」です。 まさに小田原蒲鉾の粋を集めた味です。

厚さ12ミリに切り、山葵を擦ってのせ、
大名気分でお召し上がりください。
とっておきの日本酒の口を開き、テーブルの上に小さなまな板をもってきて、いざ蒲鉾を切り始めます。厚さは12ミリ。この厚さでないと目指すプリッとした食感にならないというので慎重に切ります。 食べる分(3枚位)だけ切り終わってから素早く山葵を擦り下ろし、それを蒲鉾の上にのせ醤油を少しだけつけて口の中に入れ半分くらいで噛み切ります。プリっとした食感。 口の中で心地よい弾力が続き噛むほどに旨味が広がります。「今年も良い年になるかな」なんて思いながら、日本酒で流し込みます。じっくり丁寧に、そして幸せに食べていただきたい、鈴廣の古今です。

職人が手焼きする究極品
鈴廣 超特選伊達巻「古黄」
その日の気温、湿度等を見極めながら、一本一本、職人が手焼きで仕上げます。
人の手と時間をかけた「小田原伊達巻」の代表に相応しい最高級の伊達巻です。
魚はキメが細かく身質のやわらかい高級魚の黄グチ
卵は新鮮で風味豊かな地鶏卵
甘味は体にやさしく染みこんでいくような和三盆
すべての素材にこだわりました。
かまぼこ同様、うま味調味料としてのアミノ酸・保存料は一切使用していません。
ゆっくりじっくりと焼き上げた黄金色の焼き目、断面のきめ細やかさに魅了され、一口食べれば、上品なお菓子のような甘みが、じゅわりしっとりと舌に馴染みます。
食べればわかる、伊達巻の概念を超える豊かな味わいをお楽しみください。

細工かまぼこの最高峰
鈴廣 超特選品 古今「鹿の子」
2024年「第35回全国水産加工品総合品質審査会」において、最高賞となる農林水産大臣賞を受賞した「古今」と並ぶ、鈴廣の特別企画の蒲鉾「鹿の子」。 紅と緑の模様が白い身の中に浮かび上がり、華やかな細工かまぼこは、国家資格を持つ一流の職人たちが一本一本を手作業で仕上げる究極の逸品です。 特徴的なその美しい意匠は手づくりならではのもの。完璧に仕上げられるようになるまで、実に20年ほどかかるといわれています。

色とかたちに込められた、祝いと祈り
紅は「慶び」、緑は「生命力」、そして白は「清らかさ」を表す日本の祝いの色。新しい年の始まりに幸福を願い、食卓に彩りを添えてきた伝統の意匠です。しなやかでありながらむっちりとした弾力と歯切れの良さ。 天然白身魚の旨みを、職人の手仕事が最大限に引き出した、唯一無二の味わいです。美しさの奥に、技と祈りがあります。年の瀬の晴れやかな食卓に彩りを添える特別なかまぼこは、大切な方への贈り物にもおすすめです。