甘さだけでなく、余韻まで美しい桃
山梨県笛吹市一宮町
宝桃園「堀井俊彦さんの
初夏の桃」
パティシエやシェフが
毎年待ち望む桃です。
山梨県・宝桃園の堀井俊彦さんが育てる桃は、多くのパティシエや料理人に選ばれています。堀井さんが目指すのは、甘さだけを追求した桃ではありません。酸味やほのかな渋みまで含めた味わいの調和、そして食べ終えた後に残る心地よい余韻。その味わいを、堀井さんは「後ろ姿の美しい桃」と表現しています。
全国の桃を食べ比べる料理人たちが惹かれるのは、単純な糖度の高さではなく、甘み・酸味・香りが織りなす奥行きと絶妙なバランス、そして自然と向き合いながら桃を育てる堀井さんの姿勢です。宝桃園の桃には、人を惹きつける確かな魅力があります。
宝桃園の堀井俊彦さんです。
宝桃園は、「日本一の桃の里」として知られる山梨県笛吹市一宮町にあります。親子三代にわたり、およそ半世紀にわたって桃とぶどうを育ててきました。
「宝桃園を訪れるシェフやパティシエの多くは、実際に畑を見学されます。桃の味だけでなく、どのような考えで育てているのかを知り、その姿勢に共感してお付き合いが始まることも少なくありません」そう話すのは、園主の堀井俊彦さんです。
堀井さんは、「桃は農家だけが作るものではない」と考えています。桃は、その年の気候や土地、土壌、そして樹の状態によって表情を変えます。自然の力に寄り添いながら、その力を最大限に引き出すこと。堀井さんは日々、樹と向き合いながら桃づくりに取り組んでいます。
草とともに育てる桃づくり
堀井さんは、自然の力をできるだけ生かしながら桃を育てています。その根幹となるのが、「草生栽培」「低農薬」「土づくり」です。
草生栽培:除草剤に頼らず、自然に生える草を活かした栽培を行っています。草の根は土を柔らかく保ち、水分を適度に調整する役割を果たします。刈り取った草は有機質として土に還り、豊かな土壌を育みます。
環境に配慮した栽培:桃の樹と土、その土地が本来持つ力を引き出すことを大切にしています。農薬の使用は必要最小限にとどめ、有機肥料を用いるほか、剪定枝や伐採木を炭として土へ還し、次の世代へと続く豊かな土づくりに努めています。
健康な樹が、美味しい桃をつくる:ミネラルや有機微生物、酵素を活用しながら土壌環境を整えています。健康な樹は光合成が活発になり、病害虫への抵抗力も高まります。土づくりから樹を育てることが、宝桃園の桃づくりの基本です。
初夏を告げる極早生・早生品種
6月下旬から7月上旬にかけて収穫される、ちよひめや日川白鳳などの極早生・早生品種をお届けします。桃のシーズンの幕開けを飾る品種たちは、みずみずしさが魅力。果肉はやわらかく、果汁たっぷり。口に含むと爽やかな香りが広がり、すっきりとした甘さが楽しめます。真夏の桃のような重厚感ではなく、初夏ならではの軽やかな味わい。堀井さんが目指す「後ろ姿の美しい桃」を感じていただける桃です。一年のうちで最も早く味わえる、旬のはじまりをご堪能ください。
桃の美味しさを伝える代表作
「桃之夭々」(もものようよう)
宝桃園では、生果だけでなく、自社栽培の桃を使ったコンポート「桃之夭々」も手掛けています。シェフや桃好きのお客様から長年支持されている人気商品です。収穫した桃をその日のうちに加工し、桃本来の味わいを大切に仕上げています。生果づくりで培った考え方は、こうした加工品にも受け継がれています。
文・林麻実
写真・宝桃園











