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日本で唯一国際コンクールで9年連続
「金賞」を受賞した天栄米
天栄米栽培研究会は、「米・食味分析鑑定コンクール国際大会」において、最高賞の国際総合部門で「金賞」を9年連続で受賞している。
米の品評会は大きく2つある。
1つは、日本穀物検定協会が主催する、「地域の品種」ごとに行われる検定で、「特A」、「A」などで評価され、地域の「平均点」の高さを競う。もう1つが、米・食味鑑定士協会が主催する、「米・食味分析鑑定コンクール」で、「個人(団体)」で競われるものだ。
日本穀物検定は環境と品種が上位ランクになる傾向にあるのだが、「米・食味分析鑑定コンクール」は団体や個人の「生産の腕」が試されるコンクールだ。2000年に、372人の出品で第1回大会はスタートし、第5回大会では1,000人を超え、第18回大会では5,671人ものエントリーがあり、右肩上がりで増えている。審査は3段階あり、一次審査は玄米を食味計で計測、二次審査では、精米を味度計で測る。1次と2次の合計数値をもとに最終ノミネート者が決まり、ノミネートされた米を最終審査で専門家が官能審査を行い、投票により受賞者を決定する。
5年連続で金賞を受賞している団体には、「ゴールドプレミアムライスAAA(トリプルA)」という称号が与えられる。
AAAの称号を持つのは、たった3つの地域しかない。群馬県の川場村、長野県の木島平村、そして福島県天栄村である。
天栄米栽培研究会は、2008年の第10回に始まり、9年連続で国際総合部門で金賞を受賞した。
2017年は惜しくも金賞を逃し、10年連続とはいかなかったがその後も快進撃を果たしている。
■天栄米栽培研究会の受領歴 / 米・食味分析鑑定コンクール国際大会(総合部門)
2008年(第10回)コシヒカリ 金賞1名
2009年(第11回)コシヒカリ 金賞3名
2010年(第12回)コシヒカリ 金賞1名、特別優秀賞1名
2011年(第13回)コシヒカリ 金賞1名、特別優秀賞1名
2012年(第14回)コシヒカリ 金賞1名
2013年(第15回)コシヒカリ 金賞1名
2014年(第16回)ゆうだい21 金賞1名
2015年(第17回)コシヒカリ 金賞1名
2016年(第18回)コシヒカリ ゆうだい21 金賞1名ずつ
2017年(第19回)ゆうだい21 特別優秀賞1名
2019年(第21回)ゆうだい21 金賞1名
2021年(第23回)ゆうだい21 特別優秀賞1名
2022年(第24回)コシヒカリ 金賞1名、ゆうだい21 金賞・特別優秀賞各1名
※最終3次審査にノミネートされた検体について、審査委員の官能審査により、金賞もしくは特別優秀賞を決定します。
じっくり育てることで一粒の旨みが増す
天栄米栽培研究会の斑目会長に尋ねると、栽培方法のポイントは、「じっくり育てる事」ということであった。
一般的な栽培方法では、最初に肥料を与える。手間がかからないというのが利点でもあるが、そこで味のほとんどは決まってしまう。
かたや、天栄米栽培研究会では、半年かけて追肥や草取りなどを細かく行う。
大変手間がかかるうえ、こうすることで米の成長はゆっくりになり、収穫量も2/3程度になる。
「じっくり育てる事」は、デメリットの方が大きいように感じるが、それに見合うほど味が格段に良くなるのだ。
慣行栽培の水田も見せて貰ったが、稲の大きさがまるで違う。天栄米の稲の背は低く、1つの穂の実も少ない。
さらに、天栄村に注がれる水にも注目したい。
「釈迦堂川」から主に水を引くのだが、その釈迦堂川の原泉の一つに「涌井の清水」がある。
その水は美しく透き通り、水底から途切れることなく湧き上がる様子は神秘的だ。
池をかき回すと洪水となって襲ってくるという言い伝えもある。
天栄米の美味しさには、「釈迦堂川」と「涌井の湧水」、この水の神がかった力を感じるのだ。
1度は食べてほしい
最高峰の米
天栄米栽培研究会には栽培方法により、「特別栽培米」、「ゴールドプレミアムライス(GPR)」、「漢方環境農法米」の3種類の天栄米がある。
最も品質が高く、天栄米の看板となっているのが、「漢方環境農法米」だ。
その名の通り、漢方薬を煎じた滓を使用する。これにより土壌が改良され、極上の米となる。
農薬も化学肥料も一切使用していない。
どれか1つを試すのであれば、「漢方環境農法米」をおすすめする。
日本中の腕利き生産者が集まるコンクールで、金賞を受賞し続ける天栄米の美味しさを一度は味わってほしい。